【2015年5月27日】帝人と㈱セルクロスは6月1日(月)から、㈱タグキャストと共同で、スマートフォンやタブレットを置くことでネットワークへの接続を認証する世界初のシート型ビーコン「PaperBeacon(ペーパービーコン)」発売する。
一般的なビーコンは省電力型の近距離通信(Bluetooth LE)を使用して、個別に識別可能なIDや位置情報を発信する無線素子。ビーコンから発信される信号をスマホなどのアプリが受信することで、GPSを受信できない地下などでも位置を特定し、ナビゲーションを可能にする。商業施設など特定施設内でのクーポンやポイント配布、口コミと来店回数のひも付けといった「来店証明」用途で利用されてきた。
新製品の「ペーパービーコン」は、帝人とセルクロスが開発した2次元通信シート「セルフォーム」とタグキャストのビーコン技術「TAGCAST」の組み合わせによるシート型ビーコン。3次元空間に伝搬するビーコンの信号を2次元の「面」で伝搬することができ、Bluetooth LEを用いながら、NFC(近距離無線通信)のように使用できる。
さらに、NFCのような「点」範囲の通信とは異なり、「面」で通信する「表面認証」という新たな技術の確立に成功している。これにより、従来のビーコンでは困難であった、大人数が集まる広範なスペースの中でテーブルやイスといった限られた場所の特定を実現。会議場所などで、テーブルごとに閲覧可能な資料を制限することもできる。また、飲食店の各テーブルに敷設すれば、店員を介することなく、スマホのアプリから直接厨房に注文し、同時に決済を完了させるキャッシュオンデリバリーも可能。学校や塾などでは机に敷設し、出席確認と同時に宿題のチェックができ、個々の習熟度に合わせた宿題のインストールもできる。
ビーコンは50兆円規模とも言われるO2Oマーケティング(インターネット・Onlineと実店舗・Offlineを連携させて集客や購買につなげるマーケティング手法)の主役となるデバイスとも言われている。
今後は設計および製造を帝人とセルクロス、販売・運用・保守をタグキャストが行い、初年度出荷枚数としては1万枚を目指す。
帝人は従来行ってきた「セルフォーム」を活用した無線LANやRFID棚管理システム「Recopick」といった電波の「面」による伝搬用途の展開をしてきた。これに今回のビーコン用途の開拓を加え、2019年度には売上20億円へ事業規模の拡大を図る。
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