【2018年1月3日】あけましておめでとうございます。旧年中は格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。
さて、昨年の印刷産業機械市場は、日本を含む先進諸国におけるデジタル化にともなうペーパーレス化の進展、中国市場においては、監督強化による金融引き締めにともなう民間企業の資金調達コストの上昇によりゆるやかに継続する需要減そして英国ではEU離脱をめぐる先行き不透明感によりそれらのエリアでの販売は低調に推移しました。
一方、米国市場は、ペーパーレス化という逆風がふくものの最高値を更新し続けたダウ平均を背景に名目GDPは3%を超す数値となり、またユーロ圏におきましても外需回復の恩恵を受け年間を通して2%以上の名目GDPの伸びを示し印刷産業機械の投資も順調に推移しました。
平成30年は、世界的なゆるやかな経済成長のもと、投資の拡大が期待できるものの緊迫する北朝鮮情勢、米国を筆頭に各国に蔓延する保護主義の台頭など世界経済が政治情勢に一層深く関係し合う1年であると思います。
今後の生産者人口の減少を考えれば、生産工場、設備の一層の生産性の向上は、絶対に取り組むべき課題です。つまり現在、経済産業省が主導されている「Connected Industries」を本格的にスタートさせることです。
このポイントは、
①製品・サービスのデータが生産者と繋がり、イノベーションに連動する。
②事業間・部門間のデータがAIを経由して繋がり、飛躍的生産性向上を実現する。
③人とAI・ロボットが繋がり、革新的生産現場を実現する。
の3点です。
当工業会では、平成29年度特定調査研究事業として、「印刷産業機械におけるIoT導入手法について」をテーマに掲げました。今後、スピードを上げて具体像を構築してまいります。
平成26年1月にスタートした生産性向上設備投資減税は、昨年3月末にて終了しましたが、当工業会が担った証明書発行件数は、最終12,000件でした。この税制が厳しい市況の中でも設備投資のモチベーションを確実に上げたものと確信いたします。
また、1昨年の7月1日に施行された中小企業等経営強化法の内、取得した機械装置の固定資産税を軽減するための証明書発行件数は、昨年11月末時点で、3,000件に達しています。
本年も業界唯一の証明書発行団体として、作成の具体的方法とメリットの説明そして迅速な発行処理に努力いたします。
本年7月26日より31日まで東京ビッグサイトにてプリプレス&デジタルプリンティング機材協議会との共催にて「IGAS2018(国際総合印刷テクノロジー&ソリューション展)」を開催いたします。
東京オリンピックを2年後に控え、絶好のタイミングでの開催となります。
従来の印刷機材展に留まらず、最新のテクノロジーや課題解決のためのソリューションを提案する総合的で革新的な国際展示会を目指します。統一テーマは、「Venture into the Next! 変わる印刷、変える未来」としました。このテーマには、印刷を取り巻く激しい環境変化の中、失敗を恐れず未知なる世界に果敢に挑戦し、未来を切り開いていくという意味が込められています。
実行委員会が中心となって、皆様方のお声をヒアリングしながら印刷業界の潮流の方向を示唆するとともに海外からの来場者を増大しアジア圏におけるビジネスチャンスを生み出す国際展示会として大成功に導きます。
アジアにおける最大のグラフィックアーツショー、ご期待下さい。
平成21年に開始したJapan Color認証制度は、標準印刷認証が200工場を超え順調に拡大しております。導入された印刷会社様は、受注拡大・クライアントとの品質コミュニケーションにおけるインターフェイスとしての利用価値の高さ・標準色設定による生産効率の向上・数値管理導入による若手作業者の意識向上などを特に評価されております。
昨年度は、5月にデジタル印刷認証制度をスタートしました。
これは、デジタル印刷が最も重要な印刷手法の1つになりつつある現状において、Japan Color 2011を基本として、オフセット印刷に対するデジタル印刷物の近似性を実現できる運用能力について認証するものです。
各地でセミナーを多数、開催することにより更なる認知度を深め、業界の標準化を推し進め、デジタル印刷の更なる普及を促進してまいります。
当会は、昭和12年12月に設立され昨年5月に創立80周年事業を皆様方のご協力により盛大に開催することができました。深く御礼申し上げます。
これから90年、100年と工業会の総力をあげて、皆様方の視点に立って業界の発展のため活動してまいります。
本年もご支援、ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。
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