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【レポート】「PrintDoors2025(第61回光文堂 新春機材展)」 中部最大のプリンティング展示会 メーカと印刷会社が多数出展 

【2025年1月28日】「PrintDoors2025(第61回光文堂 新春機材展)」が今日1月22日、23日の2日間、名古屋市の国際展示場「ポートメッセなごや」で開催された。

同機材展は、光文堂が毎年この時期に開催している中部地方最大級の印刷機材総合展。今回もポストプレスからプリプレス、資機材、技術、サービスなどがメーカーや印刷会社から出品された。
今回のテーマは「『価値創造が拓く未来』~イノベーションのジレンマ~」で、会場には中部地区はもちろん全国から来訪者があった。

毎年デジタルプリントに関する展示も多く、今回もプリント&プロモーションでは、この分野を中心にレポートする。

 

グッズ・大判プリンタなど

ミマキエンジニアリングは、同社大判プリンタを多数展示した。
UVフラットベッドプリンタ「UJF-6042MkII e」は、最大作図エリアが幅610×送り方向420mm(A2)、厚さは153mmまでに対応する。主にアクリルキーホルダーやアクリルスタンドなどをはじめとしたグッズプリントで多く活用されている。近年は印刷会社など異業種で導入も多く、同社のベストセラー機となっている。

話題のDTFでは「TxF150-75」を展示。同日に「OGBS大阪2025」が開催されていることから最新製品はこちらでの展示となったようだ。
このほか、カッティングプロッタでは「CFXシリーズ」を紹介していた。

同社ブース内では、共同出展のジェットグラフが、熱で盛り上げ加工できる「バブルアップ」を展示。同製品は熱を加えると膨らむイタリア製の素材で、カッティングプロッターで切り抜いて、Tシャツなどに貼り付けられる。また、シンクイノベーションが、UVプリンタなどで作成したサンプルを展示した。

エプソン販売はUVインク搭載プリンタ「SC-V1050」を展示。同機はアクリル板やプラスチック、ゴルフボールなどのさまざまな素材にプリントが可能で、ノベルティグッズへの名入れやアクリルスタンドなどを小ロットから制作可能。ブースではスマホケースをプリントしていた。
また、水性ラベル印刷機「SurePress L-5034」に関してはサンプルを展示した。同機は昨年の「drupa2024」で発表されたもので、ヘッドをラベルの搬送方向に動かして1回の印刷をしてから送る間欠方式を採用している。ヘッドの移動方向を変更したことで、最大印刷速度13m/分と大幅に速度が向上している。
グッズプリントから、ラベルプリントまで幅広い展示内容になるのが、商社展示会のいいところである。

武藤工業の「XpertJet 1462UF」はフラットベッドUVプリンタ。ガントリー駆動式で、最大で1,420×700㎜、厚さ150㎜、重量50㎏/㎡のメディアに対応する。従来インクの「UH21」に加え、「US61」を採用。同インクは、環境に配慮しながら、幅広い素材に対応できる。
同機でプリントしたアクリル製品を、グラボテックのレーザー加工機でカットする実演も行った。

隣接のオーテックのブースでは「ValueJet628MP」を実演。出力物を比較的裏ばないMPインクを使用し、オーテックのホログラム用紙へのプリントを見せていた。
担当者は「ホログラムへの印刷は導入企業の武器として非常に有効」と話す。

リコージャパンは、卓上のガーメントプリンタ「Ri100」と、同機で出力したトートバッグやコースターをサンプル展示した。
同機はプリンタ本体が小型で、本体の下にプリントしたインクを熱で定着させる仕上機(熱圧着機)を重ねて設置できることが特長。カセット式ホルダーを採用しており、簡便にセットできる上、カセットの差し替えにより、熱を使用する定着工程を安全に処理できる。
店頭やイベント会場などで、その場でTシャツやコースターをプリントするといった体験型の展開も可能なことから販売台数を伸ばしている。本体価格は290,000円(税別)。

デジタルプリンタ「Pro C7500」は、商用印刷に特化した制御システム「RICOH GC OS」を搭載。多彩な用紙印刷の自動調整や設定、さらには作業工程の効率化・可視化を実現し、印刷オペレーターの負荷軽減や省人化を可能にする。

新たに肉厚な弾性層を持つ中間転写ベルトを採用したことで、エンボス紙やクラフト紙といった凹凸紙・粗面紙への対応。薄紙や厚紙(40.0~470g/m²)への対応に加え、自動両面用紙サイズも強化し、長尺1030mmまでの対応も実現した。CMYKに加え、ネオンイエロートナー、ネオンピンクトナーをスペシャルカラートナーとして自動で付加するネオンカラープロファイル機能も搭載している(スペシャルカラーを使用する際は、拡張キットが必要)。

三菱王子紙販売は、ブラザー工業の缶バッジ自動プリンタと「GTX Pro」を活用したDTFを出品した。
「BB1-5700」は、多品種小ロット向けの缶バッジプリンタ。プリントから挟み込みまでのすべてを自動化でき、これまで手作業が必要だった缶バッジ製作をほぼ無人化できる。作成スピードは1時間に60個。スマホやタブレット端末で撮った写真をそのまま使用して缶バッジをつくるシステムも紹介していた。
同社のガーメントプリンタ「GTX Pro」でのDTFプリントは、ベストセラー機での安定した運用をアピールした。三菱王子紙販売は、これらの機材のほか、DTFのフィルムなどの資材を販売している。

グラフテックはカッティングプロッタで知られるメーカー。「CE8000-AFS1」は自動給排紙機構を搭載しており、作業の自動化に貢献するという。価格は39万8000円。
担当者は「印刷会社で小口の仕事を増えており、カッティングプロッタの需要は伸長している」と話す。
このほか超小型の「FCX2000」も展示された。

キャノンマーケティングジャパンは、自社の大判プリンタや産業用プリンタをPRした。
水性インクジェットプリンタ「inagePRPGRAF GP-2000」は最大出力幅が1,118mm。耐擦過性と色のりの向上で、さまざまなプリント物に対応する。インクは蛍光ピンクを業界初搭載し、部分ネオンなどの表現に対応する。このほかにレッドやオレンジ、グリーン、バイオレットなども搭載しており、鮮やかで明るい色調での出力を可能にした。
担当者は「軽オフ印刷の業界で採用があり、少量のプリントをオフセット印刷から切り替える動きの中で導入がある」としている。

イメージ・マジックはDTFの小型機「TranceJet DTTS-P300S」を出品。
小型でありながら量産型DTF機器で多く採用されている、PRECISIONCOREテクノロジーのヘッドを採用。出力速度は5.0㎡/h。本体サイズは、750mm幅で、印字対応フィルムは330㎜幅まで対応した。これによりA3ノビサイズのフィルムをプリントでき、一般的なデザインのプリントTシャツの印字範囲を網羅している。

日本製図器工業は、カッティングプロッタ「NS-X」を出品。同機は昨年末発売で、最大カットエリアは530×780mm。コートボールパッケージやシール・ラベル などの薄物資材の加工に対応する。

 

商印系デジタル印刷機

コニカミノルタジャパンは、自社のデジタル印刷機を複数出品した。
フラグシップモデルの「AccurioPress C14000」は、コニカミノルタ初のヘビープロダクションプリント(HPP)機で、ハイボリューム領域をカバーする製品。出力解像度2400dpiで毎分A4サイズ140ページ、A3サイズ80ページを出力できる。

デジタルラベル印刷機の「AccurioLabel230」は、多くの粘着紙と粘着フィルムに対応し、印刷速度は毎分23.4m。また、ジョブ切替え時のウォームアップ時間も30秒以下とダウンタイムも短い。連続印刷長は1,000mで、大量印刷時でも用紙差し替えなしで、用紙のロスも削減できる。出力解像度は1,200dpi (3,600dpi相当)×1,200dpi。

このほか、「AccurioPressC4080」では検査装置IQ-501の搭載で、印刷から検査を一貫して行える性能をアピールした。

キャノンマーケティングジャパンは、オンデマンドプリンタ「imagePRESS V800」は光文堂の封筒フィーダーと接続し、封入を自動化する。
キングコーポレーションに納入済みで、この日は共同出展していた。

SCREEN GPジャパンは、昨年10月発売のトナーデジタルラベル印刷機「BIZPRESS 13R」を展示。
同機は韓国VALLOY(バロイ)社製で、最大出力幅330 mm、毎分7mでラベルを印刷できる。設置面積が1,400✕850㎜。「畳一枚分で設置できるエントリーモデルで、初めてデジタルでラベル印刷をしたい人向け。オペレーター不足の業界で熟練工がいなくても印刷ができる」と担当者は語る。

コダックジャパンは、デジタル印刷機「PROSPER」シリーズのユニットとサンプルを展示した。

富士フイルムは自社のデジタルプリンタの最新製品を紹介した。
「Reboria Press2100S」は今年1月発売。1パス5色印刷が可能で100枚/分のプリントが可能。
「Reboria PressPC1120」はフラグシップ機で、120枚/分での印刷を実現。6色トナーを搭載し、白とピンクのプリントで力を発揮する。

ホリゾンジャパンは、帳合い中綴じの新製品「SPF-2000」と「HOF-400」を接続して出品。
「フロントがデジタルになればなるほど、後加工が大事になる。新製品は小回りが効くので使いやすい」と話す。

クアディエントジャパンの「DS-77iQ」はフランス製自動封入封緘機。3点のフィーダーを使用すれば最大975枚の給紙が可能で、1時間あたり最大3,800通の書類を封入できる。
2アクションでフロントアクセスでき、メンテナンスなどはしやすく、発売20年で事故ゼロである安全性も特長という。

 

印刷会社

富安金属印刷は「オリジナル缶」を出品。「オリジナル缶」は、ペール缶と呼ばれる大型の缶の外周に、独自のデザインを1個からプリントできる。ブースでは、派生製品のコロン缶やバロン缶、コフレ缶なども陳列されていた。
同社では今年プリンタを更新し、生産強化を図るとしている。

明和商会は、UVからシルクまでさまざまなプリントのサンプルを紹介。金属にプリントしたコースターなど、グッズの展開も多く行っているという。

奥村印刷は話題の「beak(ビーク)」を展示。
紙製食器「beak」は、A4用紙1枚の大きさから、その場で折って食器を作れる。
コンパクトで重ねて持ち運びしやすいため、災害時などの食器としての活用が見込まれる。
また、歌舞伎柄などの和柄を裏面にしたお土産用の「OrigamiTable ware」も展示した。

 

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