【2017年8月17日】矢野経済研究所ではこのほど、「プリンタ世界市場に関する調査(2017年)」を実施し、この結果を発表した。
「プリンタ世界市場に関する調査」は2017年4月~7月まで、プリンタ(出力機器)メーカー・販売店/パートナー・各種部材メーカーを調査対象として行ったもの。
調査では、「オフィス向けプリンタ」などはもちろん、「業務用/産業向け」のプロダクションプリンタ、LFP(大判プリンタ)、シリアル・インパクト・ドット・マトリクスプリンタ【SIDM】、ライン・インパクト・ドットプリンタについて調査。また、コンシューマ向け(フォトプリンタ・インクジェットプリンタ)の各機器をについて、出荷台数や出荷金額などについても調べている。
調査の概要は以下の通り。
「2016 年度のプリンタ(出力機器)世界出荷台数」は、前年度比 97.0%の 1億40万台、同出荷金額は同94.9%の5兆9,500億円(いずれもメーカー出荷ベース)となった。
市場縮小の要因は「中国経済の減速」「アメリカやユーロ圏の企業の一部に弱めの動きが広がった」ことなどとしている。
分野別では、オフィス向けプリンタは大容量インクタンク搭載プリンタが好調ではあるものの、単価が下落傾向、オフィス向け全体としては伸び悩んでいる。
一方、業務用/産業向けプリンタは 2016 年度も総じて好調。注力分野にしているプリンタメーカーは増加基調にある。プロダクションプリンタなどでは、高生産性機種や高付加価値機へのシフトが進んでいる。
2016 年度下期に入ると、「中国経済の持ち直し」が見られるようになったが、民間企業では設備投資の伸びは弱く、「アメリカの政策動向やユーロ圏の景況感は不安定」であることから 2017 年度も経済成長の鈍化が見込まれる。
これらの状況を踏まえ、2017 年度のプリンタ世界出荷台数を前年度比 98.0%の 9,840 万台、同出荷金額は同 97.5%の 5兆8,000 億円(いずれもメーカー出荷ベース)と予測している。
注目すべき動向としては、2016 年 6 月にドイツで開催された「drupa2016」の好影響から、2016 年度のデジタルラベル印刷機の世界出荷台数(メーカー出荷ベース)は前年度比 114.0%の 980 台と「順調に成長した」としている。
近年、商業印刷分野に加えてデジタルプリンタ市場で特に注目されているのが、デジタルラベル印刷機で、各印刷機メーカーも需要先のターゲットを商業印刷分野から産業軽印刷分野へと間口を広げている。
市場活性化の一因には、インクジェット専用のデジタルラベル印刷機が数多く発売されたことなどが挙げられる。
しかし、それ以上にデジタルラベル印刷機市場は、他の商業印刷と比較して、利用されているラベル印刷機のデジタル化率が低く、ユーザー側のデジタル化に対する期待値が大きいことで注目されている。
デジタルラベル印刷機市場の大幅成長のトレンドは今後も続き、2021 年度の同出荷台数は、1,550 台に、出荷金額は 570 億円に達すると予測している。
発刊日:2017 年 7 月 27 日
体 裁:A4 判 468 頁
定 価:190,000 円(税別)
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