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【レポート】「PrintDoors2023( 第59回光文堂 新春機材展)」 デジタル印刷関連製品多彩に

【2023年1月31日】「PrintDoors2023( 第59回光文堂 新春機材展)」が1月25日~26日、名古屋市の国際展示場ポートメッセなごやで開催された。

同機材展は、光文堂が毎年この時期に開催している中部地方最大級の印刷機材総合展。毎年、ポストプレスからプリプレスまで、資機材や技術、サービスなどが多数展示された。
今回のテーマは、「VALUE&INNOVATIONきらり」で、展示予定面積は6,750㎡、出展者数は145社(380小間)で行われた。

プリント&プロモーションでは同展示会をデジタルプリント関連に絞ってレポートする。

 

レポート

主催者の光文堂はさまざまな印刷関連製品を出品した。
レーザー工機は「KBD Pro‐Vision330RⅡ」は最大用紙幅が330㎜で、最大加工速度は毎分40m。反射しやすい蒸着紙の加工にも対応しており、価格は3500万円。枚葉タイプは2700万円。
担当者は「コロナ禍で、新しい市場に備えたいというユーザーが多く、導入は多い。補助金を使用して購入されるケースが増えている」としている。

このほか、小型の搬送機付きカッティングプロッタ「autoCTM」なども実演した。

富士フイルムビジネスイノベーションは「Revoria Press PC1120」を展示。
同機はCMYKの前後に2色のトナーを配置できることが特長で、この展示会では、ピンクとゴールドを搭載していた。ゴールドやシルバーと他のトナーを掛け合わせることで、さまざまなメタリックカラーの表現に対応する。トナーは交換も可能。
このほか、ニス圧着のはがきなど制作やサンプルについても紹介していた。

ミマキエンジニアリングは、大判プリンタ各種を出品した。
「JV330-130」は、同社のベストセラー「JV300」シリーズの流れをくむサイン・ディスプレイ用途のスタンダード溶剤系マシン。
出力後に連動し、縦横全辺をカットする「XYスリッター」と、最大3本までメディアを同時に取り付けられる「メディアチェンジャー」を標準搭載している。

「UFJ−7151plusⅡ」は、グッズプリントなどで活用されている卓上タイプUVプリンタの最上位機種。この日はアクリルボードへのプリントを実演していた。

「JFX600-2513」は大判フラットベッドUV機。6色インク搭載で最高出力速度200m²/hの高速プリントで大型ボードへの出力を行った。

同社ブースには、シンクイノベーションとACSが共同出展。シンクイノベーションは、オリジナルグッズのサンプルを紹介。ACSは自社のカッティングプロッタを実演した。

コニカミノルタは「AcurioPressC14000」をメイン展示。
同機は産業用プリンタのフラッグシップモデルは、A4で140ppm、A3で80ppmの高速出力が特長。印刷のバリアブルソリューションとして活用されている。
サンプルではパッケージやメニュー、カタログなどを展示していた。

「AcurioLabel 230」は、ラベル用デジタル印刷機で、凸版間欠機で製造する数量をカバーし、カラー化に貢献できる。アナログ印刷機でできないオフセットライクな仕上がりを、熟練のオペレーターを必要とせず実現する。
担当者は「買い替えならデジタル機という選択が非常に増えている。人手不足でオペレーターを確保できないといったケースで力を発揮する」と説明する。

エプソン販売は、デジタルラベル印刷機「L-4733AW」を展示した。水性インクで発色がよく、アナログのラベル印刷機に近い発色がある同機は国内でデジタルあラベル印刷機のトップシェアを誇る。

武藤工業は、プルーフ用のプリンタとして同社の製品を展示した。
「VJ1628MH」はマルチパーパスインクを搭載。このインクは出力物を比較的選ばないことが特長で、紙などの印刷本紙でも校正作業が可能。インクは柔らかさがあり、シュリンクラベルなどでの使用にも耐える。
ブースでは、「Recoボード」への出力を実演し、板モノへの対応力をPRした。
「Recoボード」は再生が可能で、1回の使用で捨てられるケースが多いボード類でのリサイクルを強調した。

「VJ 628MP」は、マルチパーパスインク搭載の小型機で、ロール紙のみの対応。
「XpertJet461UF」は、卓上のUVプリンタで、グッズプリントなど、立体物への出力を見せた。

イメージ・マジックは「TransJet DTTS-P302」をデモンストレーションした。
DTFプリンタは、テキスタイルプリントなどで用いられる新しい転写方式で、プリンタ部分と粘着剤を塗布するバインダー塗布機部分で構成される。
従来の昇華転写プリントとは異なり、出力後の切り抜きが不要で、転写後の糊残りがない。
「DTTS-P302」は、小型でありながら本格的な生産に対応しており、テキスタイルプリントなどで力を発揮する。

リコージャパンは、ラテックス系大判プリンタ「ProC7210s」や「リコーオートアジャスター」を展示した。
「ProC7210s」は、出力物を選ばず、作業環境にもやさしい。

「リコーオートアジャスター」は、出力物の元データをスキャンするだけで出力物を元の色に再現するシステム。
従来はプロファイルなどの複雑な工程を経て合わせるか、オペレーターが合わせていた色を自動で近づけられる。
印刷するプリンタと元データの色差やマシンの個体差を調整できる。
「一つのジョブで長ければ1日がかりで合わせていたような色合わせも、数分から数十分で終わる」と担当者。

ダイヤミックは、ブラザーのガーメントプリンタ「GTX Pro」で、DTFを再現するシステムを展示。フィルムとパウダー組み合わせることで、ダイレクトのプリントのほかにDTFも可能としている。「昇華転写とは使いわけとなるだろう」と担当者。

「PrintDoors2023( 第59回光文堂 新春機材展)」
http://www.kobundo.co.jp/event/printdoors2023/pr_pd2023.html

 

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