【2021年5月21日】HPデジタル印刷機のユーザーイベント「Dscoop Edge Fusion」が5月17日から20日までオンラインで開催された。
同イベントは、世界の印刷事業者が集まるグローバルイベントで、「学び、つながり、進化する」などを目的に行われている。今回は、100以上のセッションやデモンストレーションが行われ、世界82カ国から3600人が参加した。
日本時間の20日午後10時に行われた「クロージングキーノート(閉会基調講演)」は、デービッド・マーマン・スコット(DavidMeermanScott)氏が「Turning Customersinto Fansin Challenging Times」のタイトルで、印刷会社のファン獲得法について講演した。
講演の内容は以下の通り。
普通、コモディティーな自動車保険にはファンはいない。
しかし、自動車保険のHAGERTY(ハガティー)にはファンがいる。
なぜかというと「ドライバーズクラブ」という雑誌や、Youtubeチャンネルがあり、これが格好良く、ファンがついている。
これを見ている印刷業界にもファンができるはずで、皆さんも同様の成功のチャンスがある。ファンというのは、同じ志を持つ人の一部になりたいという行為で、その人たちの集まりもファンという。
私が考えるのは企業も「人間のように行動するべき」ということなのだが、実際にはしていない。
企業が出す、プレスリリースで一番多いく使われている言葉は「イノベーティブ」。こんな言葉は、普通の人間は使わないし、この言葉を使っている企業は「イノベーティブじゃない」ともいえる。
そんなプレスリリースは、ファンを構築するものにはならない。
また、広告やホームページに「ストックフォト(既存写真)」を使ってるのでは?こういったものは広告から取り除こう。あそこに出てくる人たちは、現実社会に存在しない人ばかりだ。
「白い歯のスタッフが笑いながらテーブルを囲む」
「白い服を着た老人夫妻が浜辺を歩く」
「楽しそうに女性がサラダをつくる」
こんな人たちは現実には存在しない。
ハーシーズは、世界女性デーに、本物の女性たちの写真を使った広告を行い大成功した。
使用するなら本物の、実際にいる人を広告に出そう。
オンライン動画は有効だ。また、そこには物理的な近さが大切となる。
人間は1m以内をパーソナルスペースとするが、目の前に来てくれることが重要で、それによって盛り上がる。動画は、パーソナルスペースを意識した距離で話せる。
ある企業は、記入フォームのとなりに動画を配置したところ、セールス見込みを22%引き上げた。
ビジネスには、情熱も大切だ。
個人の領域とビジネスの領域の情熱を一緒にしてはどうか?
ビジネスのSNSのアカウントで個人的な趣味を共有しよう。ある歯医者さんは、待合室から診察室まで、自身がスケボーをしている写真を展示し、SNSで発信したところ話題になり「スケボーの先生に診てもらいたい」という患者が増えたという。
最後に、印刷会社は自社のステッカーを作ってみてはどうか。今、ビジネスパーソンはPCにステッカーを貼って楽しむ文化がある。ここに貼られることは、そのブランドが好きということで、ファンはステッカーでその思いを共有している。
BtoBの企業でも構わないので、ステッカーを作って、お客さんと思いを共有しよう。
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