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【開催中レポート】「サイン&ディスプレイショウ2025」 最新のプリンタや加工機が出そろう 10月24日まで

【2025年10月23日】「第66回サイン&ディスプレイショウ(SIGN & DISPLAY SHOW 2025)」が10月22日~24日(金)まで、東京・江東区の東京ビッグサイト 有明GYM-EXで開催されている。

同展は、看板やディスプレイに関する資機材や技術、サービスなどが展示される国内有数の専門展示会。業界の新製品発表や技術情報の共有、取引促進の場として定着しており、前回(2024年)は1万8,270人が来場した。今回も、約100社・約250小間が出展している。

プリント&プロモーションではプリンティング関連を中心に各社のブースを速報レポートする。

 

プリンタ

ミマキエンジニアリングは自社のプリンタと加工機を展示し、ブース前ステージではミニセミナーで来場者の注目を集めた。

「UCJV330-160」は、UV硬化型のサイン用ロール機。同シリーズは、基本のCMYKに加え、白インクとクリアインクを標準搭載。乳白(半透明)や透明、下地色付きのシートなどさまざまな表現でプリントに対応する。
出力可能なシートの種類は、塩ビに加えPETやPU(ポリウレタン)などの樹脂フィルム、布、紙(非コート紙含む)など。
同機で出力した高梨沙羅さんのグラフィックの壁紙施工を貼りの名人アルティスタレジェンドが行うセミナーを実施している(毎日午後3時~)。

サイン用エントリーモデルの「JV200-160」では、リンテックサインシステムのメディア「グラフィカルベーシックシリーズ」をプリント。同メディアは初お披露目で鮮やかな発色と空気抜き機構などが特徴。
サイン用では、ベストセラーソルベント機「JV330-160」も展示している。

テキスタイルプリントでは、昇華転写プリンタ「TS 200-1600」と次世代捺染プリントシステム「TRAPIS(トラピス)」について「TS330-1600」を使用して紹介し、こちらもサンプルを展示している。

このほか、フラットベッドUV-LEDインクジェットプリンタ「JFX200-1213EX」ではボードプリントをデモ。DTFプリントの「UJV300DFT-75」なども紹介している。

ローランドディー.ジー.は自社のプリンタを多数展示している。
サイン向けではエコソルベント系の「TrueVIS XP-640」が「ど真ん中」と担当者は紹介。昨年7月発売、現在販売台数を伸ばしている。会場では来場者向けの価格キャンペーンを実施している。

「DIMENSE DA-640」は2.5Dサーフェスプリンタ。
メディアに熱によって発泡する素材を使用しており、デザインに沿って凹凸をつけられることから、壁面装飾などで効果を発揮する。展示会やポップアップショップなどでの活用を見込む。
ブースでは凹凸のある缶バッジやクッションなどのサンプルを用意している。

フラットベッドでは今年発売の「VersaOBJECT LO-640-F3」を日本で初お披露目。
最大プリントサイズは1520x2450mmとボードで必要な最低限の大きさをカバーしており、本体サイズはW2,901×D3,457×H1,560mmと作業環境が狭小な場所にも設置できる。
ヘッドの高さを変えられるため厚さ200㎜までの素材に出力可能で、キャリーバッグやギターなどへのプリントも可能だ。ロールタイプの「TrueVIS LGシリーズ」をベースに作っており品質は折り紙付きで、ヘッドカバーもあることからインクやUV光の漏れがなく、本体下部には緊急停止用のロープを用意するなど安全面でも対策がある。ブースではアクリルボードへの出力を行っている。

DTFでは「OGBS」でも展示された「TY-300」を展示。同機はシェイカー(接着剤のパウダーを塗布する機構)を独自開発した製品で、プリントから定着までを一貫して行える。

このほか、グッズプリント関連では「VersaOBJECT MO-180」なども紹介している。

イメージ・マジックはカメラ付きの大判プリンタとDTF製品を展示している。
プリンタはミマキの「UJF-7151plus」にカメラを取り付けたもので、カメラでカット済みのアクリルを読み取りプリントできる。

UV-DTFは、UV硬化インクと転写フィルムを使い、マグカップなど曲面のあるものや、段差のあるものへのプリントを可能にするシステム。昇華転写方式と異なり、フィルムから布などへのプリントの際に切り抜きが必要なく、工程が大幅に短縮される。

「xTool Apparel Printer」は、本体サイズ 905×365×356.5mmの超小型DTFプリンタで、従来工場での設置が当たり前だったDTFプリンタを店頭やオフィスなどに設置可能としている。
印刷からパウダー塗布、焼き付けまでを自動で行う全自動ワークフローを採用しており、従来必要とされた専門的で複雑な工程知識は不要。

卓上型UV-DTFプリンタでは「NC-UVDTF30(30cm幅モデル)」を展示。
同製品は、従来機で培った機能性を維持しつつ、省スペース化を実現。標準でアプリケーションシートの貼付機能を搭載しており、印刷からリタックまでの工程を自動化することで、作業工数の大幅な削減が可能となる。

エプソン販売は今回最大規模のブースを設置した。
サイン用ソルベント機「SC-S9150」「SC-S8150」「SC-S7150」を展示。11色、6色、4色とインク数が異なる機種で、ユーザーの用途に幅広く応える。

水性顔料の「SC-P20550L」は総ノズル数9,600の2.64インチヘッドと1.6Lの大容量インクサーバーを搭載。B0サイズを約4.8分でプリントできる。会場では防炎マット紙ロールにプリントを行っていた。

昇華転写機では「SC-F9550/H」を、レジン機では「SC-R5050/L」を、ガーメントプリントでは「SC-F1050」、グッズ用のUVプリンタでは「SC-V1050」を紹介している。

セルカムでは、HPの最新プリンタを陳列。
「HP Latex R530」は関東初展示。同機はロールとリジッド(フラットベッド)の両方を行えるオールインワンモデル。最大出力幅は1630㎜であるにもかかわらず従来機「HP Latex R2000」(以下R2000)の半分程度の設置面積であるため、狭小な環境でも導入しやすい。

「HP Latex830W」「同730W」は、完全両面印刷に対応。位置合わせを自動で行い、両面プリントをストレスなく行える。

加工機では、ZUNDのカッティングプロッタをデモンストレーションしている。

システムアートのNeoltの「XYマティック」をデモンストレーション。同機はXYスリッターで出力したメディアの縦横を任意のサイズに切り取る。
従来、手作業で行っていたカット作業を自動化し、工程にかかる時間を大幅に短縮する。長さのセットはかなり余裕があり、壁紙のロール製作も可能。
製品は今回が日本初披露となる。
IECHOのマルチカッターは、生産性の高い新型を出品している。

戸谷染料商店の「DUPlexPrinter」は自動両面印刷が可能なファブリック(布)用大判プリンタ。のぼりやバナーなどで活用されており、両面にプリントすることで光を当てた時の色の濃さを保つことができ発色も良くなる。一方で、位置合わせが難しく、作業時にオペレーターの力量が必要となる。同機はこの課題を解決したもの。展示のサンプル機は1200㎜幅だが、実機は2,000㎜と3,300㎜。

キヤノンプロダクションプリンティングシステムズ(キヤノンPPS)は、新製品の「ColoradoXLシリーズ」を展示。
同シリーズは、ロールメディアとリジッドメディアの両方に対応するUVgelテクノロジー搭載のハイブリッドプリンタ。70㎡/時から211㎡/時までの3モードを備え、バナーや紙、フィルム、発泡ボード、アクリル、アルミ複合板など幅広いメディアに対応する。

武藤工業のエコソルベント機「VarueJet2638X」は2,600㎜幅に対応する。1ℓパックの「Ultra Value インク」は、乾燥性に強く、耐候性、耐擦過性を持ちながら低溶剤で低臭気が特長。
水性UV機「HydrAton1642」は、富士フイルム社のAQUAFUZE技術と武藤工業のプリントコントロール技術を連携した環境配慮型のプリンタ。AQUAFUZE技術を用いたインクの性能を最大限引き出すために新規開発した、独自の出力制御および特有の成膜プロセスを搭載している。
出力幅1,625mmで、インクはデュアルヘッド4色(CMYK)を搭載している。

エコスリージャパンはイメージ展示で自社の大判プリンタを紹介している。

加工機など

初出展のリブラはサンドブラスト用のシステムを販売する会社。
サンドブラストとは、砂をガラスや石などに吹き付けて彫刻する技術。専用の版を用意し、彫刻した鋳物をマスキングし、そこに砂を吹き付けることで版を貼った部分以外が切削され文字やデザインを表現できる。
ワインの瓶などでは10分から15分で、小型のタンブラーなどは5分ほどで彫刻可能。
硬度の高い素材を効率よく削る一方で、柔らかいものは削らないため、素手での作業が可能なため、安全に使用できるという。特許取得済みで、粉じんに関する安全証明も取得している。

同社の仁川幸男社長は「会社訪問に来た小学生によるサンドブラスト体験もしてもらっており、誰でも簡単に安全に使える製品。グッズ製作で他社との差別化ができるシステム」と話す。
価格は製版機とのセットで300万円前後。
ブースでは加工した瓶や石板などを展示しており、感触を確かめられる。

創新テックはレーザー加工機「AEONレーザーSシリーズ」を展示。
Sシリーズは今年発売したもので大型機が150万円〜、小型機が100万円~。
CCDカメラと2つのレーザーヘッドを搭載している。

日本製図器工業は、参考出品で「BoardLami&cutter」を出品。同機は出力物をスチレンボードに、搬送しながら貼り合わせてカットする装置。出力物のトンボを読みながらカット紙張り合わせ可能で、ボードはスタックしておけるため、オペレーターが常時監視する必要がない。貼り合わせのみでも対応できる。

また、カッティングプロッタ「コングスバーグKシリーズ」や、タテ型でバキューム付きの「NSX」をデモンストレーションしている。

サイン業者では、べレイマージサインアーテックなどが出展しており、自社の持つ技術やサービスをPRしている。

 

開催概要

会期:10月22日(水)~24日(金)午前10時~午後5時
会場:東京ビッグサイト 有明GYM-EX(東京都江東区有明1-10-1)
入場料:無料(Web入場登録制)

https://tokobi.or.jp/sds

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