【2025年7月6日】山形大学とTOPPANホールディングスは、医療ビッグデータを活用して乳がん患者の治療実態を解析する共同研究を実施し、全国53医療機関から収集した約2000名のデータを分析した結果、感染症リスクの高い患者群が存在することを明らかにした。
研究成果は、7月12日(土)に開催される「第33回日本乳癌学会学術総会」で発表する予定。
両者は2024年3月より共同研究を開始し、TOPPANが提供する医療情報分析サービス「DATuM IDEA」を用いて、乳がん患者における化学療法の実態を調査。抗がん剤の投与内容や副作用をもとに5つのグループに分類して分析した。その結果、抗がん剤により白血球の一種である好中球が減少し、感染症にかかりやすい状態となる患者群の存在が確認された。
こうした分析により、好中球減少を予防する薬剤の適時投与といった医療対応の向上が期待される。実臨床における実態を可視化することで、より的確な治療判断と予防策の確立に繋がると考えられている。
山形大学医学部附属病院の乳腺チームは、乳腺専門医が最新の研究成果を取り入れた診療を展開しており、今回の成果も現場の知見とデータ解析を融合させたものである。一方、TOPPANは2022年より医療ビッグデータの利活用に取り組んでおり、匿名加工された電子カルテを活用した研究支援に力を入れている。
同研究の成果は、7月10日(木)から12日(土)にかけて新宿で開催される日本乳癌学会学術総会のポスターディスカッションにて発表される。発表は12日午前10時16分から、工学院大学新宿キャンパスのポスター会場1で実施される予定である。
詳細申し込みは以下から
https://www.congre.co.jp/jbcs2025/registration/index.html
【第33回日本乳癌学会学術総会 概要】
会期:2025年7月10日(木)~12日(土)
会場:京王プラザホテル/工学院大学 新宿キャンパス
会長:石川 孝(東京医科大学)
主催:一般社団法人 日本乳癌学会
URL:https://www.congre.co.jp/jbcs2025/
※参加には登録が必要
【発表演題の概要】
演題名:次世代医療基盤法による医療ビッグデータからみたアンスラサイクリン・タキサンによる乳癌周術期療法の現状
発表者:山形大学医学部外科学第一講座 准教授 河合賢朗
日時:2025年7月12日(土) 午前10時16分~10時58分
会場:工学院大学 新宿キャンパス 1階 アトリウム ポスター会場1
形式:発表3分、質疑3分
山形大学とTOPPANは、今後も医療ビッグデータを活用した研究を通じて、健康寿命の延伸と持続可能な社会の実現に貢献するとしている。
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