【2017年5月11日】「木彫りの熊」「こけし」「張り子の犬」。
蕎麦屋さんや古い居酒屋さんなんかに行くと、なぜか窓際や棚の上にどっさり置いてあるいわゆる「民芸品」。
見過ごしがちだが、そのクオリティーの高さは、美術品にも勝るものがあり、歴史と伝統は地方史を語る上での重要な要素となっている。
とここまで、ビジネス誌の一大特集のような壮大なリードになってしまっているが、民芸品に魅せられた人たちが、47都道府県を代表する民芸品を使ったカードゲームを開発してしまった。
その名も「民芸スタジアム」。
このゲーム、「妄想工作所」と「ウサギ」の2社が共同で開発したもの。
妄想工作所は、造形家でライターとしてもデイリーポータルZなどで活躍する乙幡啓子さんの会社。すごくゴージャスなしょんべん小僧(放水小僧)や魚そっくりなペンケースといったおもしろグッズをいっぱい作っている。
もう一方のウサギは、おもちゃ大賞を受賞したあの「∞(むげん)プチプチ」「∞エダマメ」をつくった高橋晋平さんの会社。高橋さんはボードゲームの制作なども行っているのだ。
このキョーレツな2社がコラボして作ったのだから、面白くないわけがない!(と黒柳徹子ばりにハードルを上げとく)。
ゲームは47枚の民芸カードとサイコロを使い、相手の民芸カードを攻撃しながら進める。民芸カードはクリーチャー(分からん人用に説明しておくと「怪物」や「伝説の動物」)扱いで、これを召喚して相手と戦うというイメージだ。
勝利条件はそれぞれの民芸カードに記載されたポイントで、既定ポイント分のカードを並べること。民芸カード(クリーチャー)には特殊能力が付与されており、この能力を戦略的に使うことでゲームを有利に進められる。
参加できる人数は2~4人で、15分ほどで1ゲームが終了する。
ルールと進行の詳細は以下の動画を見てほしい。
ゲーム開発きっかけは、製作者たちが「日本の魅力的な郷土玩具・民芸品の魅力に取りつかれ、その魅力を自分達なりのやり方で、子供から大人まで、多くの人に伝えることができたら」との強い想いがあったから。
メインターゲットは、小学生と30代~40代の両親といった一般ファミリー層。親子で楽しく遊びながら、それぞれの県の民芸品を覚えられるという特性がある。
実際、カードには日本の47都道府県から選りすぐった民芸品の美しい写真がそれぞれ1点ずつ印刷され、解説も書かれている。このことから、図鑑のように民芸品を見るといった楽しみ方もできる。
発売は5月14日(日)、価格は2,000円(税別)
しかし、47都道府県で1個ずつの民芸品だと「うちのも入れてほしい」という要望が来そうだ。また、土産物なんかも「うちのをクリーチャーにしてくれ」という声が出てきそう(「十万石饅頭」や「東京ばなな」はどういう能力だろうと、思わず妄想して記事を書く手が止まってしまった)。
開発者の高橋さんに聞いたところ「今のところカードの追加予定はない」とのことだが、ぜひ「デラックスバージョン」や「各県バージョン」をつくっていただき、なじみ深い産品の「クリーチャー」を使ってゲームを楽しめるようにしてほしい。
なお、「民芸スタジアム」は、妄想工作所の公式ウェブショップ(https://mousou.base.ec/)で販売するほか、5月14日に東京ビックサイトで開催されるアナログゲームの祭典「ゲームマーケット」(http://gamemarket.jp/)の「妄想工作所」ブース(ブース番号:L35)で展示・発売する。
妄想工作所
https://mousou.base.ec/
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