電通グループ　2025年の世界広告費成長率を4.9％と予測　デジタル広告が市場を牽引

【2025年6月30日】電通グループはこのほど、2025年の世界の広告費成長率予測を4.9％と発表した。今回の予測は、世界56市場から収集したデータをもとに年2回更新されるレポートに基づくもので、2025年単年に特化して公表された。

広告費総額は9,920億米ドル（約143兆円）と見込まれ、パリ五輪や米大統領選のあった2024年の成長率6.7％に比べると鈍化するものの、引き続き世界経済成長率（2.8％）を上回る見通し。
中でもデジタル広告が成長を牽引しており、構成比は68.4％に拡大。リテールメディア（13.9％増）、ソーシャル（9.2％増）、プログラマティック（8.4％増）、サーチ（8.3％増）などが高い伸びを示している。
また、ユーザーの行動や嗜好に応じて自動で最適化されるアルゴリズム広告は、広告のROIを高める手法として定着しつつあり、2027年には世界の広告費の78.1％を占めると予測されている。

地域別では、アジア太平洋地域（APAC）が6.0％増の3,615億米ドル（約52兆円）に達し、インドが7.9％の成長と最も高い伸びを示す。欧州・中東・アフリカ（EMEA）は4.5％増、米州（Americas）は4.2％増となり、特にブラジルの成長率は7.1％に達すると推測している。

媒体別では、テレビ広告が1.8％減少する一方、コネクテッドTVは10.9％の成長を見込む。屋外広告（OOH）は全体で2.7％増、うちデジタル屋外広告は4.2％増となる。

業界別では、通信業界が5G普及と高速通信需要により8.3％の成長、化粧品・パーソナルケア業界では、セルフケアや天然素材への注目が追い風となり、7.3％の伸びを予測している。

今回の数値はすべて現地通貨建てで収集された実績・予測データをもとに、2025年4月時点の為替レートで米ドル換算したもの。広告費は割引や手数料を除いた純額で集計している。

詳細：https://www.dentsu.com/news-releases/ad-spend-forecast-to-grow-by-four-point-nine-percent-in-2025-despite-a-reduced-economic-outlook

参考：https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/Issues/2025/04/22/world-economic-outlook-april-2025?cid=bl-com-SM2025-WEOEA2025001