【2019年1月25日】日本フォーム印刷工業連合会(フォーム工連)は1月24日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で「平成31年新春講演会」を開催し、約150人が聴講した。
「平成31年新春講演会」は、国立情報学研究所、教育のための科学研究所所長で、ロボットを同大に合格させるプロジェクト「東ロボくん」で知られる新井紀子氏が「わが国の経済成長に向け人工知能が人間と社会にもたらすマイナスと未来」のテーマで以下のように講演した。
「東ロボくん」のプロジェクトを始めたのは2010年。これは、もうすぐAIブームが来そうだと感じ、これに危機感を覚えたからだ。
「AIで何でもできる」という間違った考えに騙される人が多く出ることへ警鐘を鳴らす意味で始めたもの。AIは人間の脳を超えないし、今の技術の延長線上ではシンギュラリティーも起こらない、しかし世の中はAIでシンギュラリティーの夢を見ている。
現在、人工知能は自分で考えることは何もできていない。IBMの人工知能「ワトソン」がクイズを宇を破ったというニュースがあったが、やっているのは問題からキーワードをピックアップして、Google検索しているだけで、何も考えてはいない。
「東ロボくん」プロジェクトでは、最終的に「ロボットは東大には合格できません」ということを証明して、私はプロジェクトを降りようと思っていた。
最終年の2016年には「関関同立クラスの大学に合格する」という目標も立てていたが、これは「やっぱりできませんでした」という結果に終わると考えていた。しかし、東ロボくんは関関同立に合格してしまった。
ここで考えたのは「ホワイトカラーの半分が機械代替になる」ということ。その結果、これまで同じ仕事をしていた人の年収が200万円程度になると予測した。
プロジェクトの中で、作ったテストに「AIに自然言語処理できるか」を試すものがあり、現在、これを「リーディングスキルテスト」と名付け人間にも受けてもらっている。
結果として、高校生はAIに負けた。文章が読めず、2択の問題でも正答率が半分ちょっとというものもあった。
私はショックを受け「東ロボ君より人間を賢くしないといけない」と考えた。
「人間を超えることができない、何もできないバカなAI」に、高校生は敗れてしまっている。
負けた原因は読解力のなさだ。
読解力が低い層は、テストの答え合わせができない、免許の筆記試験の何度も落ちる、説明書が読めない、国家試験に受からないといった人たちだ。
AIの進展により、読解力のない彼らは確実に貧困層になる。
大切なことは、「中学校を卒業するまでに正確に読める力を付けること」。
一方で企業は「高校の教科書を正確に読めない社員を雇わないことが最大のリスクヘッジ」となる。
リーディングスキルテスト
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