【2024年9月25日】矢野経済研究所は、国内の加工食品について栄養成分表示に関する消費者アンケート調査を実施した。
栄養成分表示の確認状況や購買判断状況、購入要件などについて調査し、機械学習(AI分析)と統計的分析手法を用いて消費者の潜在需要を考察した。
ここでは、「包装前面栄養表示」による食生活や食意識、購買行動の変化や、「包装前面栄養表示」をスマホカメラで記録できるなら欲しいスマホアプリの機能について、調査結果を公表している。
同消費者アンケート調査は、自分や家族(同居人)が食べるための食品を普段購入すると回答した国内在住の20~79歳の男女1,200人を対象に2024年6月に実施した。
同調査では「包装前面栄養表示」が導入された場合、自分自身の食生活や食意識、購買行動に起こると思う変化について、選択式(複数回答、16の選択肢から2~7件を選択)で尋ねた。
回答では、「栄養バランスを意識する」が33.5%、「健康意識が向上」の24.9%、「特定の栄養の過不足を意識する」の16.0%が上位3位までを占めた。
一方で『「包装前面栄養表示」されても、何も変わらないと思う』は41.6%で、最も高い回答率となった。
加工食品の「包装前面栄養表示」をスマートフォンのカメラで記録出来るならば、スマホアプリで欲しい機能について選択式(複数回答、12の選択肢から5件まで選択)で尋ねた。
回答結果では、「1日の食事の栄養バランスの評価・採点」が22.9%、「その食品と併せて、一緒に食べるべき食事の提案」の15.6%、「2つ以上の食品を合計した栄養摂取量の計算」の11.2%が上位3位までの回答結果となった。また、一方で「何れも、必要と思わない」は53.1%で、最も高い回答率となった。
同調査から考えられる「包装前面栄養表示」のスマホアプリ活用事例としては、まず食品メーカーが開発した自社スマホアプリから、自社や他社商品の「包装前面栄養表示」を読み取り、それらのデータを比較した結果から栄養バランスに配慮した自社商品を提案して販売につなげることが挙げられる。
また、小売業では、来店客が店頭で「包装前面栄養表示」を読み取り、その結果から栄養バランスに配慮した、店内で販売する別商品の食べ合わせ(献立)が提案できる。さらに、店内で一緒に購入するとポイントアップなど特典が付与されることで、1回あたりの購入点数・金額の向上につながることも考えられる。
「包装前面栄養表示」は統一されたルールで運用され普及すれば、スマホカメラでの読み取りやスマホプリでの応用もしやすい。また、消費者も楽しみながら栄養意識を高めることが出来るため、食品の新しい販促スキームが誕生する可能性も考えられる。
期間: 2024年5月~8月
対象: 全国の20~79歳の男女1,200人
方法: インターネットモニターによる消費者アンケート調査
発刊日:2024年8月26日
矢野経済研究所
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