【2026年2月8日】東京都と日本デザイン振興会が主催する「東京ビジネスデザインアワード(TBDA)」の2025年度受賞結果が5日、発表された。
最優秀賞1件、優秀賞2件が選出され、都内中小企業の技術とデザイナーの発想を結び付けた事業提案が評価された。

最優秀賞に選ばれたのは、昭和印刷(江戸川区)をテーマ企業とする「『体験をコレクションする』サービスの開発とブランド展開」である。提案者はアートディレクターの榎本清孝氏。個別化情報の印字技術と、破れにくいフィルム圧着はがきを活用し、体験そのものを価値として蓄積・共有するBtoBtoC型サービスを構想した。審査委員会は、紙への印字というアナログ技術の強みを情緒的な体験価値へと昇華させ、事業化の実現性も高い点を評価した。

優秀賞は2件が選ばれた。日進精機(大田区)をテーマ企業とする「生分解性樹脂と精密金型技術を活用した人を自然へ導くギアの提案」は、三谷悠人氏と鍋田知希氏による提案で、生分解性樹脂と精密金型技術を組み合わせたルアーブランドを構想した。環境配慮型素材の課題に対し、技術の掛け合わせによる新たな価値創出が評価された。
もう一つの優秀賞は、サルトル(新宿区)をテーマ企業とする「加工精度を軸とした新たな事業モデルの提案」で、平野北斗氏らが提案した。加工技術そのものを事業資産として再定義し、下請けから共創型ビジネスへの転換を目指す点が評価された。
TBDAは、都内中小企業の技術や素材を「テーマ」として提示し、デザイナーから新規用途開発や事業全体のデザイン提案を募るコンペティションである。本年度は、円安や物価高、人手不足など中小企業を取り巻く環境変化も背景に、企業の強み整理や将来像を示す提案が多く寄せられた。
最終審査会は2月3日に開かれ、デザイン性、実現可能性、ビジネスプランの完成度などを基に審査が行われた。主催者は、受賞提案の事業実現に向け、知財や販路開拓を含む中長期的な支援を継続するとしている。
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