【2018年7月12日】キーポイントインテリジェンスは7月10日、東京都港区の東京コンファレンスセンター・品川で「パッケージングコンファレンス2018」を開催。今回から参加対象者を従来の印刷機器メーカーに加え、印刷やプリント、加工関連のコンバーターまで広げており、この日も70人以上が参加した。
「パッケージングコンファレンス2018」は、デジタル印刷での軟包装やラベル、紙器、段ボールといった包装市場にかかわるデジタル印刷について、キーポイントインテリジェンスの日米のアナリストやゲストスピーカーが講演した。
「ラベルパッケージング市場~ラベル、紙器、軟包装、段ボール市場~」ボブ・リーヒ氏
我々が今回の調査で報告する範囲は、ラベル(工業用含む)、軟包装、段ボールのデジタル印刷だ。
EP(電子写真)方式とインクジェット(IJ)方式があり、コンベンショナル(アナログ)方式と併用するハイブリッド方式のプリントも行われている。
パッケージ印刷での印刷方式の割合はEP方式が61%、IJ方式が31%。
プリント方式(パス)は、複数回ヘッドが往復する「マルチパス」と、一度でプリントする「シングルパス」に分かれる。
マルチパスで生産性が高い機種が出たのが10年ほど前、シングルパスが5年ほど前。
さまざまな機種が出ているが、本体価格が高く、速度が遅いなどの課題を抱えているが、マスカスタマイゼーション需要やサステナビリティ―、少量・多品種の印刷などで活用されており、導入の推進要因が勝っていると感じる。
デジタル印刷機の売り上げは、2017年には694万ドル、2022年には1078万ドルと予測。
ラベル印刷で最も使われており、軟包装や紙器ではいまだに少なく今後増加が予測される。
デジタル印刷機の地域別市場では、欧州が最も大きく、北米、アジアパシフィックと続く。デジタル印刷機とサプライの市場規模は数十億ドルと予測する。
「パッケージングワークフローとコンバーターへの影響」パット・マクグリュー氏
デジタル印刷を取り入れた時、まったく新しい承認の方法、そしてワークフローが必要になる。ブラウンの段ボールならいらなかったが、カラープリントの場合はコーポレートカラーをはじめさまざまな確認が必要となるからだ。
デジタルパッケージプリンティングの場合、複数の場所で印刷機を使用することがあるが、統一されたワークフローがなければ、コントロールできなくなる懸念がある。
ブランドオーナーが商品を企画し、市場に並ぶまでの平均が198日と言われていたが、今は2カ月でも遅すぎるという。デジタルを駆使して1週間で商品を並べたいという状況があり、商品発注を最小単位で行うSKU(Stock Keeping Unit)が増えており、これもワークフローを自動化する必要性を高めている。
このため、コンバーターは、自社デザイナーを雇い、ワークフローが分かっている人を雇うようになっている。
最終の20%しかデジタル化されないとしても、ワークフローはより複雑化しシステムは必須となるだろう。
他のセッションタイトルと講演者は以下の通り。
キーポイントインテリジェンスでは、これらにかかわるデータを保持しており、さらに詳細な調査にも対応する。
「軟包装―デジタル化の歩みと見通し」ボブ・リーヒ氏
「中国デジタルラベル・パッケージング市場」後田雅人氏
「紙器―デジタル印刷を再構築する勢力と企業とは」ボブ・リーヒ氏
「パッケージングコンバータのデジタル印刷の機会」パット・マクグリュー氏
「段ボール・インクジェットがどのように市場を混乱させ、また改善しているのか」パット・マクグリュー氏
「AR及び紙器、段ボール、ラベル用アプリケーション(不正防止、セキュリティ)」パット・マクグリュー氏
「IGAS2018開催直前情報」後田雅人氏
「次に何が来るのか:ヨーロッパとそれ以外の会社より」ボブ・リーヒ氏
キーポイントインテリジェンス
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このほか、ゲストスピーカーとして、プリント&プロモーションの中村記者が「日本のブランドオーナーはこう考える!パッケージの今『デジタル印刷の活用のポイントは?』」のテーマで講演した。
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