【2026年8月27日】セルカムが主催する「Digital Printing Expo 2026 Tokyo」が8月25日・26日の2日間、東京都港区の東京都産業貿易センター浜松町館で開催された。入場無料で、多くの業界関係者やクリエイターでにぎわった。
サイン・ディスプレイやアパレル・テキスタイル、オーダーグッズ制作向けの最新機材・新資材が集結し、日本初上陸の海外資材も披露された。体験コーナー「CREATOR’S LAB」では計6種類のプリンタや加工機を来場者が実際に操作し、アクリルキーホルダーや衣料へのプリントを体験できる企画も実施。新規事業を検討する事業者向けに、資材選びや外注先開拓の相談会も開かれた。

ミマキエンジニアリングも、ロールとリジッド素材の両方にダイレクト印刷できるハイブリッドUVインクジェットプリンタ「UJ330H-160」を出品した。同機はテーブルをつけるだけでリジット(フラットベッド)に対応するため、切り替えが早く省スペース化の点でも利点がある。出力速度は実用で約14㎡/h(最大約22㎡/h)で、新ベルト搬送システムは、薄いフィルムや厚物ボードも安定搬送できる。
また、フラグシップ機の330エンジンヘッドをシングル搭載したエントリー向けの「UJV200-160」や、専用フィルムにデザインを印刷して転写する同社初のUV-DTFプリンタ「UJV300DTF-75」を出品。
A2サイズ・厚さ153mm対応のデスクトップ型フラットベッドUVプリンタ「UJF-6042MkⅡe」、Draftモード69m²/hの高生産性を実現した昇華転写用フラグシップ機「TS330-1600」も展示した。
「UJF-6042MkⅡe」と「TS330-1600」ではサンプルを展示した。
ローランドディー.ジー.は、プリンタを多数展示した。
「TrueVIS AG-640」はサイン・グラフィックス向け64インチ機でプリント&カット機能を持つラテックス機。CMYKに加えてオレンジ・レッド・ホワイトとオプティマイザーを搭載している。
UV-LEDフラットベッドプリンタ「VersaOBJECT MO-240」は、A3サイズ対応モデルで、グッズプリントなどで活用されている。
「VersaOBJECT RC-300」も今年発売された機種で、円筒形状の対象に360度シームレスに印刷できるモデル。グラスやタンブラーなど側面に傾斜のあるテーパー状のものにもプリントできる。
DTF(Direct To Film)関連では、6月発売のデスクトップ型DTFプリンタ「VersaStudio BY2-20」を紹介。同じくDTFでは「TY-300」にセルカム製のパウダーシェイカーを接続してデモを行った。
日本HPは、ロールとリジッド(ボード)素材の両方にダイレクト印刷できるハイブリッド型フラットベッドプリンタ「HP Latex R530」を展示し、ボード素材のサンプルを多数並べた。このほか、ロール対応の「HP Latex 830W」も併せて展示した。
エプソン販売は、UVフラットベッドプリンタ「SureColorV4000」を参考出品した。同機は最大出力サイズが約700mm × 980mm(A1+サイズ)で、最大10色のインクを搭載可能で、レッドとグレーを含むインク公正で色域を拡大し、鮮やかで滑らかな階調表現を実現する。高不透明度のホワイトと、テクスチャや仕上げ効果を加えられるバーニッシュも搭載。3基のPrecisionCore Micro TFPプリントヘッドで多層出力をワンパスで可能した。これらにより、2ポイント程度の細かい文字や点字印刷にも対応する。
デモンストレーションでは、凹凸のあるバーニッシュ仕上げを滑らかに表現していた。
このほか、エコソルベントインクを搭載した大判プリンタ「SC-S9150」、DTF専用プリンタ「SC-G6050」を展示し、セルカム製のパウダーシェイカーと組み合わせた運用例を紹介。DTFへの参入を検討する来場者への提案を行った。
ユニークだったのはWallPenの展示。同社はドイツの壁面用UVプリンタメーカーで、今回は可搬型の垂直式UVプリンタ「E2」を展示した。このマシンは糊や下地処理なしで壁面に直接プリントでき、最大で高さ4mまでの壁面に対応可能。専用アプリによるスマートフォンからの操作にも対応し、乗用車での運搬が可能で、20分程度で組み立てられる。価格は1500万円ほどとしており、イベントなどには別会社を通じたレンタルも可能という。
キヤノンプロダクションプリンティングシステムズは、UVgelインクを搭載した64インチ対応UV硬化型大判プリンタ「Colorado(コロラド) mMシリーズ」と、フィニッシングマシン「フォトバ XLA170」を展示した。XLA170はブレードの自動位置調整機能を備え、ロール資材のXY自動断裁でポスターなどの仕上げを実演した。
武藤工業の「ValueJet628MP」はマルチパーパスインク(MP)インク仕様の630mm幅プリンタ。MPインクは、プライマーや前処理なしで幅広いメディアに対応している。このため会場ではホログラムシールや靴の甲材へのプリントサンプルを展示した。ホログラムシールは、隣のブースのオーテックの製品を使っている。
また、高さ150mmの部材に対応するUV-LEDフラットベッド型プリンタ「XpertJet 661UF」(オプションで円柱形状への360度ダイレクト印刷にも対応)、富士フイルムのAQUAFUZE技術を用いたUV硬化性水性インクジェットプリンタ「HydrAton1642」では壁紙をイメージしたサンプルを出力していた。
シンクイノベーションは、グッズ制作事業で知られており、自社で活用している資機材やプロモーション製品の販売でも知られている。
この日は、人物やペットを360度撮影し3Dフィギュアデータを作成できる「マジカルスキャナー」を展示し、来場者が体験できるコーナーを設けた。スキャナーの設置面積は被写体に合わせて調整でき、外向きの脚を含めても最小で約2m程度に収まる。
またイベントや販促企画向けの「デジタルガチャ」も展示し、複数台の在庫を一元管理できるほか、キャッシュレス決済に対応し、インバウンド需要や若年層の利用も促す。360度カメラや、自動化用のエプソン製ロボットアームも紹介した。
コムネットは、レーザー加工機の輸入販売やソフトウエア開発を手掛け、業務用レーザー加工機の国内販売でトップシェアを誇る。
今回は台湾GCC社と共同開発した「Piolas(パイオレス)280」を展示。「同400」では大きすぎて設置できなかった事業者に向けたもので、小型化しながらもレーザーの性能は従来機と同等としている。アクリルスタンドなどのグッズ制作を想定し、厚みのある素材でも側面まできれいに仕上がる加工例を紹介した。
「今は厚みのあるアクリルグッズが人気で、断面がきれいな『Piolas』は高い評価を受けている」と担当者。
グラボテックは、レーザー加工機の販売を中心に、マーキング・彫刻機器で世界的な実績を持つ企業の日本法人。レーザー加工機「LS100」は、コンパクトな構造で操作が簡単なCO2レーザー加工機で、木材やアクリルなどの切断・彫刻に対応する。
担当者は「同社では加工用の材料も販売しており、今回も問い合わせをいただいている」と話した。
理想科学工業は、デジタルスクリーン製版機「GOCCO PRO QS2536」を展示し、実際に布へのプリントを行った。同機は水や薬品を使わない乾式感熱製版方式を採用しており、工程を短縮・簡便にしている。
また、同社が国内で販売・保守を手掛けるリコー製ガーメントプリンタ「Ri4000」を展示し、Tシャツプリントなどを実演した。
ユーボンは、愛知県豊橋市の看板資材・機材の総合商社。同社のルーターはカルプ(発泡材)やアクリル、木材、アルミ複合板などの板材を、切り抜き・面取り・彫刻加工できる。ブースではカルプへの切削加工を紹介した
熱線加工機は熱線(ヒートワイヤー)で発泡材を溶かしながらカットするNC加工機。熱線が材料を溶かしながらカットするため、滑らかな仕上がりで、テーパーカットや回転テーブルによる立体カットが可能。断熱材や梱包材、木枠の代替型枠、短期イベント用の立体切り文字・造形物などで活用されている。今回は発泡材の立体加工事例を機器とともに展示した。
担当者は「発泡ボードは木枠が不要で1個から製作できる。それ自体を製品として使うケースもあれば、型の代わりに使い素材を流し込むケースもある」と話した。
アボードは、2008年設立の東京・世田谷区の家具・プロダクトブランド。
今回出品した「FEELT BOARD」は、フェルトの素材感を保ちながら木のように硬いユニークな素材。芯材がなく安全で、床を傷つけにくい。原料にPETボトルなどの再生繊維を混合し、リサイクルに配慮している。吸音・防音、衝撃吸収の効果を持ち、厚さ1cmで接合部分を折り曲げて組み立てられる。発売から12、13年が経過しており、多くの実績があるという。
担当者は「まず自社製品で使用していたものだが、外部からの要望があり販売も行っている。ディスプレイや装飾品として採用されている」と話す。
アコ・ブランズ・ジャパンは、文房具や事務機器などを扱う総合ブランド企業で、メディアの貼り合わせ機「FB1325E」を展示した。パネルやインクジェットメディアの貼り合わせが可能で、ラミネーターメーカーの技術を活かした、低価格帯のスタンダードモデルとして位置づけられている。加工幅は1300×2500㎜で、高品質シリコンローラーを採用し、多様な厚みの素材に対応する。
ニシマツテントは、1980年創業の大阪府の企業で、テント縫製から屋内外のサイン広告、看板製作施工までを自社で手掛ける。会場ではサンプルを展示した。

ZUNDは、スイスのデジタルカッティングシステムメーカーで、セルカムが国内の正規代理店を務める。カッティングプロッタ「G3 L-2500」を実演した。同機はナイフやエンドミルによる切断・切削で、最大50mm厚のメディアに対応する。

セルカムのブースでは、さまざまなメディアにプリントしたサンプルを配布。各社資機材のデモンストレーションも行った。

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