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「シリーズ デジタルプリント」第11回 OKIデータ・後編 白トナーで幅広い用途「MICROLINE VINCI(マイクロライン ヴィンチ)」

【2018年3月15日】新たなデジタル印刷の潮流を探る「シリーズ デジタルプリント」。
11回目、前編では大判IJPについて竹内宏之部長に話を聞いた。

後編は、5年前に白トナーを搭載し発売されヒット商品となった「MICROLINE VINCI(マイクロライン ヴィンチ)」について、同事業部の宮本裕美チームリーダーに話を聞く。

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OKIデータ 宮本裕美チームリーダー

――さて「MICROLINE VINCI(マイクロライン ヴィンチ)」ですが、白トナーを採用したトナープリンタということで、人気の製品となりました。主な用途を教えてください
宮本
 最も多いのがパッケージ関連での採用で、全体の約3割ほどです。
フィルムへのプリントができるため軟包装に、厚紙も搬送できるので紙器にも対応しており、ダミーやサンプル作成で活用されています。
白トナーがあることで、色のついた紙にプリントできるため、さまざまなタイプの試し刷りが可能なのです。

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――パッケージ作成での活用は、印刷会社さんが多いのですか、それともブランドオーナーですか
宮本
 ブランドオーナーがかなりいらっしゃいます。

某大手食品メーカーなどで、さまざまなパッケージのサンプルを作成していただいています。OKIデータのHPでは、導入事例を紹介しています。
(http://www.oki.com/jp/printing/services-and-solutions/case-studies/brand/microline/index.html )

これらの会社が従来、外注していたサンプル作成は少量ではできず、完成までのリードタイムも必要でした。しかし「VINCI」で内製化することにより、完成までの時間+外注費も削減できます。

このほかDTPや軽印刷系の会社でも採用いただいています。また、大判インクジェットプリンタのお客様にもご提案しており、サイン業界での採用も増えました。

――Tシャツのプリントでも採用されているそうですね
宮本
 布地に浸み込まないので発色よくでき、白トナーがあるため、ある程度の濃い色の生地でも美しいプリントができます。
私は商品企画からかかわっており、Tシャツは最初から狙っていた市場ですが、狙い以上でした。

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布へのプリントも白トナーが活用されている

一方、海外では需要があるシーズナリーやグリーティングなど色紙に印刷するカード分野に関しては、日本ではブライダル以外、あまり需要がありませんでした。
このため、Tシャツでの需要は非常にありがたいものでした。

――販売は好調ですか
宮本
 発売から5年たっても引き合いは多く、大々的にプロモーションはせずとも堅調に売れています。特にCMYKに白を加えた5色機が伸びています。

トナー方式での白色モデルは当時、他にはなく、珍しいものだったので、欲しいと思われた方は一択で買っていただいたと考えられます。

今は他社製品で白色を搭載したモデルが出てきましたが、選択肢が増えることで、白を使えるプリンタという一つの市場ができたと考えます。
なにより、お客様への価値創造という意味で最初に普及できたことは我々の誇りです。

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――後加工などの提案は
宮本
 当社からは直接提案していませんが、販売代理店からはカッティングプロッタと組み合わせた提案や、自動給紙が可能な封筒フィーダーなどの提案があります。

Page2018で参考出品したのですが、海外では封筒フィーダーとコンベアー付きモデルをラインナップしており、非常に好評いただいているので国内での上市も検討しています。

「VINCI」はトナープリンタでは珍しく、紙を水平に給排紙する「ストレートパス」を採用しています。このため、後加工機との連携がしやすく、他社の「Cパス」に比べ、前後加工機と連携しやすいといった特長があります。
「ストレートパス」は、紙の搬送が安定するので媒体対応力が広いことも特長で、厚物や粘着紙、特殊紙などへのプリントでも活用されています。
欧州での実際の活用事例では、ペーパーバッグをそのまま搬送して印刷していたのを見ました。

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――ユーザーからの要望や課題はありますか
宮本
 5色目に違う色を入れたいという声を聞きます。特に海外では金・銀が欲しいというユーザーが多いです。
トナーの入れ替えは可能なので、この要望は非常によく理解できます。

――導入後に入れ替えが可能なのですか
宮本
 仕組み的にはダクトごと交換できる構造なので可能です。
今でも白とクリアの入れ替えは可能にしてあり、ユーザーが自分で入れ替えられます。

――今後の展望を教えてください
宮本
 紙の印刷とは異なる業界へ、1台であれもこれもできるという小回りの良さや、設備投資が小さく済む点など、トナープリンタの良さをしっかり訴求していきたいと思っています。
また、色紙などのプリントでは紙屋さんと連携し、オフセット印刷やスクリーン印刷でできないことをしていきたいとも思っています。

「VINCI」を使って、新しいビジネスの市場をつくっていければ本当にうれしいです。MICROLINE VINCIシリーズについては、ブランドポータルサイトより商品の特長をご確認いただける他、サンプルの依頼も可能です。

http://www.oki.com/jp/printing/products/vinci/index.html

 

http://www.oki.com/jp/printing/products/vinci/planning/index.html

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