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秋田エプソンの新工場が完成 インクジェットヘッド生産力は将来3倍に 世界的な需要に対応

【2023年12月22日】セイコーエプソン(エプソン)のグループ会社である秋田エプソンの新工場がこのほど完成した。

同工場は、インクジェットプリンタ用ヘッドの生産能力増強のため、総額約35億円の投資を行い、2022年11月から建設していた。
これにより、秋田エプソンのプリントヘッドの生産力を将来的に現在の3倍程度に拡大する見込み。

エプソンでは、プリンティングソリューションズ事業で「マイクロピエゾ技術」を活用し、オフィスやホーム、商業、産業など幅広い分野の製品・サービスを提供している。
オフィス・ホーム向けインクジェットプリンタ市場では、COVID-19以降の分散印刷化ニーズの高まりや、新興国市場に加え北米など先進国での大容量インクタンク搭載プリンタの強い需要があった。このことから、今後も全世界でインクジェットプリンタの需要増加が継続する見通しという。

また、商業・産業向けインクジェットプリンタは、アナログ印刷からデジタル印刷へのシフトに伴い、デジタル捺染など紙以外の分野での需要が高まっている。
さらに、商業・産業向けインクジェットプリンタの多くは、「マイクロTFPプリントチップ」を用途に合わせて柔軟に組み合わせた「PrecisionCore(プレシジョンコア)マイクロTFPプリントヘッド」が採用されている。

現在、「PrecisionCoreプリントヘッド」の搭載比率は2割程度だが、商業・産業向けプリンタや高速ラインヘッド搭載のインクジェット複合機などでは1台あたりの使用チップ数が多くなるため、今後さらに搭載比率が増加することを見込んでいる。

秋田エプソン新棟は、今後の「PrecisionCoreマイクロTFPプリントヘッド」搭載のインクジェットプリンタの需要増加による製品ラインアップ強化やプリントヘッド外販の拡販対応も視野に入れ、将来的に設備の増設スペース確保も踏まえた建屋としている。
既存のプリントヘッド生産工場棟に併設して建てられ、部品から組立までをより効率的にできるようにした。

新たな設備設計で自社製ロボットを導入、最適なレイアウト構想を追求し、高効率生産ラインで生産性30%向上を目指す。
なお、稼働は2024年1月を予定している。

マイクロピエゾ技術
https://corporate.epson/ja/technology/search-by-products/printer-inkjet/micro-piezo.html

マイクロピエゾ製造技術
https://corporate.epson/ja/technology/search-by-products/printer-inkjet/precision-core.html

 

秋田エプソン 新棟の概要

所在地:秋田県湯沢市岩崎字壇ノ上1番地
事業内容:インクジェットプリンタ用ヘッドの製造および組立
(大容量インクタンク搭載プリンタおよびビジネスインクジェットプリンタ用)
建築面積:3,664.80m²(鉄骨造3階建て)
延床面積:10,682.32m²
稼働:2024年1月予定

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