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印刷会社に知ってほしい! POPで売り上げが倍になる!?「コトマーケティング」 記者の体当たりレポート②


【2016年8月17日】一般社団法人コトマーケティング協会は、今年4月7日に発足したばかりの新たな団体。
モノ(商品やシステム、技術、サービスなど)を売るという従来のマーケティングから、購買者に役立つコトを伝えるマーケティングに変えていくというのが、同協会の趣旨だ。

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そのコトマーケティング協会の「アドバイザー講習」に招待を受け7月19日、東京都台東区鳥越のアサヒ・ドリーム・クリエイト東京オフィスで、同社の橋本英雄社長に、その手ほどきを受けた記者。ビデオを見た後はいよいよ実践となった。

前回「印刷会社に知ってほしい! POPで売り上げが倍になる!?「コトマーケティング」 記者の体当たりレポート①」

橋本社長からカードとサインペンを渡され、どうやらここに何か書くらしい。

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橋本社長は「皆さんには今日、コトのPOPを書いてもらいます」とお題を発表。
内容は「青森のリンゴ農家、青木さんがつくったりんごを200円で売る」というもの。

まずは何もヒントなしで書いたのがこちら。

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何も知らないとこうなる、というか最初の数分は手が止まってまったく書くこともできなかった。

一応「キャッチコピー」らしいものは書いたが、結局「商品名」を書き、その「スペック(仕様)」や「価格」が並ぶという形。
なるほど。だいたい大きなスーパーでも、小さな八百屋さんでも見るのはこれだろう。
記者が書いたのは「モノのPOP」と言われるものなのだとか。
確かに呼びかける力が弱い気がする。
見事にずっこけて、後の人に分かりやすい事例を残してしまっているようだ。

コトを伝えるというとなんとなくわかっていても、自分が実際にするのは難しい。
140キロのボールを投げる方法を、知識として知っていても、実際には投げられないのと同じだ。

さあここで、「コトのPOP」のツボを、橋本社長から教えてもらった。

「コトのPOP」の場合、書く順番は

①キャッチコピー
②リードコピー(補足説明)
③商品名
④価格
というふうになる。

「キャッチコピー」で呼びかけ、それを「リードコピー」で説明するところが重要。
なるほど。
しかし知識では分かっても、それを表現することはやはり難しい。
やはり、書こうとすると手が止まる。

さらにそれを実現する五つのアプローチがあり、この講座では、これらのアプローチを一つずつ形にしていくのだが、それは実際に皆さんに体験していただきたい。

記者が最後に書き上げたのは、この「コトのPOP」。

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まだまだ、直すポイントはいっぱいあるようだが、かなりの成長がみられた(自分でいうのは恥ずかしいが)。

そして一緒に受講した女性の「コトのPOP」。

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普段から、エステ店でPOPを書いているそうで、格段にうまい!
ちょっと悔しい。

橋本社長が「数を多く書くことが、コトのPOP上達の早道」というように、実際に訓練して、「アタマでわかる」のではなく「カラダで覚える」ことが大事なのだという。

最後に一つだけ、事例を紹介する。

ある居酒屋屋さんで、店員さんがよく聞かれるのは「おでんはお持ち帰りできますか?」という質問だった。これに店員さんはその都度「できますよ」と答えていた。
それを
「おでんお持ち帰りできること、お伝えしてなくて申し訳ありません」
という「コトのPOP」にして貼り出したところ、おでんの売り上げは倍になったという。

「お持ち帰りできる」のような、店員の間では当たり前のことが、実はお客さんには伝わっていないケースが多くあるのだ。

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さて橋本社長の会社、アサヒ・ドリーム・クリエイトは、ディスプレイやPOPなどを印刷する会社。

「手書きPOPを使われると、仕事がなくなるのでは?」とちょっとイジワルな質問をしてみた。
橋本社長は「小売店がほしいのは、印刷したPOPじゃなくて新たなお客さんやこれまで以上の売り上げです。どんな方法でも、そのお店が繁盛することが大事で、お客さんが繁盛すれば自然に当社の利益となるのです」と説明する。

また、この講座は印刷業界の人にも広く門戸を開いているが「ノウハウを公開すると競争者が増えるのでは?」という質問に橋本社長はこう答える。
「コトマーケティングを知る同志が増えることで、互いに助け合うことが可能になります。何よりもコトマーケティングはブルーオーシャンを作り出すビジネスモデルなので、広がることにより、社会が活性化するはずです。すべてがネット通販に置き換えられ、同じ商品であれば価格で購入が決められてしまうことが多いですが、商店が長年培ったノウハウをPOPに生かすだけで、大きく新規顧客数や売り上げが変わってきます」

なるほど、同じ考えを持った人が多く集まることで、力にしようということのようだ。また、リアル店舗の復権にもつながり、街が活性化する活動でもあるのだ。

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「コト売り」の基本的な考えは「誰にどんなことができるのか?」と「それが、どうしてできるのか?(HOW TO、WHY)」としており、「商いを売る」という商売の原点に返ること。

「いまは“品売”になりさがっているので、これを変えていきたい」と橋本社長。

同社では今後も、自社の営業や協会の活動を通じて、「コトマーケティング」の輪を広げていく。

 

一般社団法人コトマーケティング協会
http://koto-marketing.com/
アサヒ・ドリーム・クリエイト
http://www.pop-asahi.jp/


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