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電通グループ 「CMO調査レポート2025(日本語版)」の分析結果公表 AI時代のマーケティング 人間性が差別化軸に

【2025年12月29日】dentsuは、日本を含む世界14市場の企業でマーケティングを統括する上級責任者1,950人を対象に実施した「CMO調査レポート2025(日本語版)」の分析結果をまとめた。
同調査からは、アルゴリズムや自律エージェント型AIの活用が進む一方で、人間の創造力や共感力の重要性がこれまで以上に高まっている実態が浮かび上がった。

調査は今年で6回目となり、「再変革の推進者たち(AGENTS OF REINVENTION)~AIと人間の創造力の交差点にあるマーケティング」をテーマに実施した。
AIの高度化が進む環境下でも、CMOは短期的な効率や最適化だけでなく、ブランドの独自性や予測不能性といった人間的価値を重視している点が特徴である。

調査結果では、71%のCMOが「アルゴリズムで勝てなければ存在感を失う」と回答した一方、79%が「最適化を優先しすぎると似通った表現になる」と懸念を示した。
86%は「AI主導の世界では顧客の生の声に耳を傾けることが重要」と答えており、テクノロジー活用と人間性の両立が課題となっている。

また、2025年以降のマーケティングを方向付ける要素として、10の主要テーマを整理した。共感への投資やブランドとクリエイター、コミュニティによる共創、インフルエンサー活用の拡大に加え、マーケティング予算の一定割合をイノベーションに充てる動きが確認された。
40%のCMOは、2025年から2026年にかけて予算の20~30%をイノベーションに配分する計画を示している。

AI活用については、リサーチの要約やコピー草案作成など日常業務への定着が進む一方、体験価値の希薄化を懸念する声も多い。73%が「AIによりブランド体験が薄れる可能性がある」と回答しており、知的なパーソナライゼーションと人間らしさの両立が今後の焦点となる。

dentsuのグローバル・チーフ・クリエイティブ・オフィサーは、AIの導入が進むほど独創性とクラフトの価値が増すと指摘する。自律エージェント型AIの時代においては、信頼やセンス、ブランド選好が競争力の源泉になるとの見方も強い。

同調査は、AIと人間の役割を対立軸ではなく融合の関係として捉え、マーケティングの再変革を模索する企業の姿を示した。詳細な分析結果は、同社が公開する日本語版レポートで確認できる。

調査の詳細レポート(日本語版)は以下から
https://www.group.dentsu.com/jp/news/pdf/dentsu-creative-cmo-survey-2025-jp.pdf (3.5MB)

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