【2026年7月24日】紙と印刷の魅力を広く一般に発信する「ペーパーサミットジャパン2026」が今日7月24日、東京都立産業貿易センター浜松町館3Fで開幕した。
主催は全日本印刷工業組合連合会(全印工連)と日本洋紙板紙卸商業組合。「MUD FAIR 2026」も同会場で同時開催されている。入場無料、事前登録不要(トークセッションのみ事前申込制)。
開催は25日(土)午後5時まで。

紙をつくる「日本製紙連合会」、紙をとどける「日本洋紙板紙卸商業組合」、紙をつかう「全印工連」の三団体が連携し、今回初めて共同で開催した。「紙のある暮らしをもっと豊かに。紙とどこまでも」をテーマに、全国の印刷会社とクリエイターが協業して生み出したオリジナル商品の販売から、専門家によるトーク、体験型ワークショップ、作品展示まで、多彩なコンテンツが3フロアに並んだ。出展者は80社を超え、ブースでは商品の展示即売も行われることから、一般の来場者も多く詰めかけ会場はにぎわいを見せている。
会場はトーク・マーケット・ファクトリー・ギャラリーの4コーナーで構成されている。
「ペーパートークセッション」は各回先着130名の事前申込制で、25日もグラフ代表取締役の北川一成氏や「デザインのひきだし」編集長の津田淳子氏らが登壇する(いずれも満員御礼)。
ギャラリーには「紙わざ大賞」「全国カレンダー展」「造本装幀コンクール」の受賞作品が展示され、印刷表現の高さを見せた。

協賛社として存在感を示したのが特種東海製紙だ。同社は5,000種を超える特殊紙・ファンシーペーパーのメーカーで、パッケージ素材から機能紙まで幅広くラインアップする。会場では同社の素材を使ったパッケージ表現のバリエーションなどを披露した。

文具メーカーのレイメイ藤井(福岡県)が展示・販売したのは「スーパーフラワー」シリーズの胡蝶蘭だ。
2016年の熊本地震を機に女性の雇用創出を目指して発足した「スーパーウーマンプロジェクト」と同社が共同開発した紙製の花で、高級洋紙を用いて生花とも造花とも異なる独特の存在感を放つ。
パリコレや万博など世界的な舞台でも高く評価されてきた。「震災からの再生、そして世界へという想いを込めた商品」とのこと。会場ではファンシーペーパーのアソートパック「PAPER CHIPS」(各日50個限定)も販売された。

石井電算印刷は昭和4年に「開成堂石井石版印刷所」として創業した福島県郡山市の印刷会社。今回は創業の原点に立ち返って立ち上げた文具ブランド「カイブツセイムドウ(開物成務堂)」を出展した。
猪苗代湖のヨシを使ったSNDペーパーやFSC認証紙など環境に配慮した素材を積極的に採用した紙製品を展開する。目を引いたのが「黄金比メモ詰め放題」で、660円でメモ帳を好きなだけ詰められる体験型の販売スタイルが来場者の足を止めた。

愛知県の印刷会社サンアート印刷が立ち上げたのが紙雑貨ブランド「紙のKAKERA」。レトロでカラフルなビジュアルが特徴で、今回はレコードやラジカセをモチーフにしたレターセットを販売。「紙を大切に使うものづくり」の視点から、日常に小さなワクワクを届けるアイテムとして来場者に好評だった。
ミマキエンジニアリング(協賛)は協賛企業として参加。同社初のUV-DTF(UV硬化式Direct To Film)プリンター「UJV300DTF-75」を展示した。UV-DTFは専用フィルムにプリントしたデザインを対象素材に転写する加飾方式で、凹凸や曲面のある素材にも対応できる点が特徴。同機は同社の「UCJV300シリーズ」の高画質と安定性を継承し、自動ノズルチェックやインク循環機能を搭載する。
欧州のSVHC規制対応の次世代インクを採用しており、作業環境への配慮も訴求した。ヘルメットやマグカップ、植木鉢など多様な素材へのプリント実演を行い、印刷業の新たなビジネス領域を提案した。

仙台に印刷工場を持つユーメディアの女性社員たちが中心となって企画したアクセサリーブランド「kamimi(カミミ)」。「印刷物をファッションとして身に付けられないか」という発想から生まれた紙製のピアスを販売した。紙の美しさと軽やかさを生かしたアクセサリーは、印刷会社ならではの精細な表現と素材感が特徴で、会場でも注目を集めた。

大阪の印刷会社ヤマックスが展開するブランド「tecoco(テココ)」の目玉商品が、デジタル印刷・シルク印刷・ポッティング加工を組み合わせた昆虫モチーフのアクセサリー「虹彩の翅」だ。光の当たり方によって色味が変わる虹彩表現を印刷で再現しており、印刷技術の引き出しの広さを感じさせる仕上がり。「つくってこ、こだわってこ」を合言葉に、印刷会社だからこそ実現できる表現を前面に打ち出した。
このほか、雑誌『デザインのひきだし』はこれまで取り上げた印刷技術のサンプルを展示し、編集長の津田淳子氏もブースに立つなどで解説。主催者展示では「紙のプール」や「紙芝居」などで子供たちも同イベントを楽しんだ。

今回の「ペーパーサミットジャパン」は、印刷会社が単なる受注産業の枠を超え、自らブランドとして消費者に直接届ける場として機能。デジタル化が進む中で、紙の質感・手触り・表現力を体感できるこの場に、業界外からの来場者も多く見受けられた。
ペーパーサミットジャパン
https://japan.paper-summit.com/
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