プリント&プロモーション―デジタルプリントの専門サイト――

【速報レポート】グッズプリントの祭典「OGBS2025」 カメラ付大判プリンタやUV-DTF、缶バッジ自動機など進化したマシンが集結 今日1日まで

【2025年10月1日】「オーダーグッズビジネスショー2025(OGBS2025)」が9月30日、東京・池袋のサンシャインシティ展示ホールD(文化会館2階)で開幕した。開催は共10月1日まで。

同展は、印刷、印章、文具、DPEといった従来の枠を超え、多角的な業態へ進化する小売業の最新動向を反映した専門見本市。
1981年に「印章フェア」として始まり、その後「オーダーグッズビジネスショー」として印刷や看板、レーザー加工、写真グッズ、さらに2009年からはTシャツプリントや刺繍などのウエアプリント分野も加えて拡大してきた。
2013年以降は展示会名称を統一し、加工ビジネスとSPグッズを融合した提案の場として発展を続けている。
プリント&プロモーションでは、プリンティング関連製品を中心に各ブースを紹介する。

レポート

ミマキエンジニアリングは、英国の印刷展示会「The Print Show」で世界初出品した「TS200-1600」を展示。
同機は、フラグシップ機搭載のプリントヘッド「330エンジン」を採用し、均一で高濃度のカラーを実現した。
標準4色に加え、新色のバイオレットとオレンジ、蛍光ピンク、蛍光イエローをラインアップしている。
会場でも蛍光色を使ったサンプルを展示した。

「UJV300DTF-75」は今話題のUV-DTF。強着性のデカールシールを生産でき、曲面や凹凸のある素材への加飾で力を発揮する。従来これらのプリントは、UVプリンタで行うケースが多かったが、出力速度や品質、加工の難しさといった課題があった。デカールにすることで貼付するだけで、グッズ製作ができるため、中国などを中心に普及が進んでいる。
このほかUVフラットベッドプリンタ「UJF6052MkⅡe」では、アクリルへのプリントを実演している。

このほか、ミマキ製品では、ダイヤモンドマークやトーヨーコーポレーションも「TxF150-75」を展示していた。

イメージ・マジックは、隣接する武藤工業とコラボレーション。

武藤工業の「XpertJet1462UF」に、カメラ搭載し参考出品。出力物の形を読み取りながらプリントできることから、メディアを並べる治具が不要で、ボードをプリントしてからカットする作業を、カットしてからプリントするといった組み替えも可能になる。中国ではカメラ搭載のプリンタが多く発売されているが、日本では刺繍用をブラザーが販売しているのみ。
担当者は「幅1400mmでプリントできることが強み。アクリルキーホルダーやスタンドだけでなく、持ち込み品を読み込めるのでギターやキーボードなどへのプリントに対応する。これまで手で張り込んでいた作業を削減でき、自動化につながる」と自信を見せる。
今後は、武藤工業では、マシンのコマンドなども開放しイメージ・マジックに協力。今後はさらに課題をクリアすることで「発売までこぎつけたい」としている。

武藤工業ではこのほか「ValueJet 628MP」で蒸着紙のような反射するメディアにプリント。フラットベッド機「ValueJet 661UF」ではアクリル製品への出力を行った。

イメージ・マジックは、DTFでSTS社の「XPD-924D」と「SAGA XYカッター」を接続し、プリントから糊付け、カットまでを自動化して実演している。
また、UV-DTFでは「NicaiUV-DTF」を展示し、カラープリントに加え、金銀を箔のように出力するdもも行いサンプルも展示した。

会場で最大級のブースを展開したのはシンクイノベーション。9月に発表したグッズ製作に関する自動機を一堂に展示した。
「缶バッジ量産型 高速自動機」は、1時間に7000個の生産を自動で可能。

「ナスカン取り付け自動機」は、アクリルキーホルダーなどにチェーンを取り付ける際のナスカン作業を機械が代替する。
「OPP袋入れ自動機」「ラベル貼り自動機」は、袋詰めとラベリング自動化し、これまで人員を多く割いていた部分を効率化する。

「Tシャツたたみ自動機」は、プリントしたTシャツを封入する前の折り畳み工程を自動化。従来の折りたたみ機と異なり、同機では20枚程度をセットすれば、自動で搬送し折り畳む。
担当者は「日本の缶バッジ市場は年間約4000万個と言われているが、自動化により注文しやすくなることから、さらに市場が大きくなるだろう」と話す。

ローランドディー.ジー.は、会場入り口付近にブースを展開。
こちらもDTF「TY-300」を出品している。同機は同社で初のシェイカー(接着剤のパウダーを塗布する機構)を独自開発した製品で、プリントから定着までを一貫して行う。プリント速度は10㎡/h、総額348万円だが、展示会キャンペーン価格として278万4,000円で提供している。

DTFでは小型の「VersaSTUDIO BY-20」も出品。担当者は「小型からのステップアップのケースも多い」と話す。

溶剤系プリンタの「同 BN2-30」では、ラベルやTシャツ、ポスターなどさまざまな出力物に対応していることをアピール。
このほか、UVプリンタ「VersaOBJECT MO-180」「VersaSTUDIOBD-12」「同BD-8」ではアクリル製品へのプリントを実演している。

パイオテックは、ローランドの「TY-300」と独自のシェイカーを組み合わせ、ミマキの「TxF150-75」も展示し、両機のサンプルを配布している。

注目は参考出品の「DTF専用カッティングプロッタ」で、トンボをつけてプリントすることで、フィルムを転写する大きさで切り分けてくれる。フィルムはハーフカット部分があり、指で押せば切り離せるといった工夫もなされている。担当者は「二人分の仕事を削減できる」と話す。発売日などは未定。

ユーロポートの注目は、「XTool DTF」。超小型のDTFマシンで、オフィスのコピー機ほどの大きさ。速度はA4ノビで約1分30秒で、シェイカーによる接着剤塗布は10分ほどかかる。インクはCMYK+W+保湿液を用意し、パウダーは循環機構のため手作業の必要がない。参考出品だが、価格は150万円。

また、国産の標準機としては、ミマキの「TxF300-75ep」に同社シェイカー「MUSE」を接続するなどでアピールした。

セルカムは、INKCUPSのカッププリンタ「HELIX」を展示。写真のカップのプリントが1分ほどで完成する。
製品は10月8日値に同社東京支社で行われる内覧会「プリントイノベーションサミット2025inTOKYO」で披露される予定。

エプソンは、UVプリンタやDTFなどを多数出品。
目玉となったのは、参考出品のA3サイズのUVプリンタ。インクが10色(CMYK+Gr、Lc、Lm、R、Vr、W)となり、出力したグラフィック(右)の色彩が一段高品質になっている。2ヘッドで2層プリントの場合、白も一緒に描画できる。

DTF専用プリンター「SC-G6050」は今年5月に発売された。自動メンテナンス機能を搭載し、マニュアル作業を不要にした。ホワイトインクは自動循環方式で、インク詰まりを抑制する。標準モードでは5.6㎡/h、高画質モードでは3.4㎡/hの出力が可能。短納期対応と高品質出力を両立し、グラフィックTシャツやトートバッグなどの製作に適する。
また、従来機のA4サイズUV機「SC-V1050」も展示している。

ブラザーは、同社初の本格DTF「DTRX100」を参考出品した。細かい仕様などはまだ決まっていないが、来年の発売に向け開発中という。

「DTE」は「GTXPro」にカメラを搭載し、白色刺しゅうをカラー化するマシン。カラー糸を使わないことで、グラデーションや写真風プリントなどこれまで刺繍にできなかったことを実現する。
同社は刺しゅう機を販売するメーカーでもあり「刺しゅうとプリントそれぞれの良さを生かし、お客様なお仕事の幅を広げたい」としている。


DTF MONSTERは、Hannan paperのDTF「DTF MONSTER」を出品し発売を宣言した。その名のとおり、800㎜幅で1時間に40m(32㎡/h)の生産力をを持つ。


ヴィヴィッドグローバーもDTFを参考出品。650㎜幅で、プリントヘッドはエプソンの「i3200A1」を5基搭載し、4パス時30㎡/hを実現する。発売は年内を予定。

東伸工業は参考出品のDTF「into 」を紹介。600㎜幅で、解像度は3200dpi、4パスで27㎡/hの出力速度があるという。発売は12月を予定している。

システムグラフィもDTF「TexStyius DTF」を展示している。こちらは300㎜幅で10月発売予定。シェイカーの展示はなく、今後発表するとしている。
担当者は「白が強く出るのが特長で、インクは常に循環しているので固まりづらい。ユーザーによるメンテナンスも可能なため、ダウンタイムが少ない」と話す。

同社では、昇華転写プリンタ「TexStyius1900BS」などもデモンストレーションしている。

理想科学は「OGBS大阪」と同様の出品内容。一体型DTF「MR2」は4基のヘッドを搭載し、従来機から速度が向上し600mm幅で9.5~19㎡/hとなった。
また、リコーのガーメントプリンタ「Ri4000」も展示していた。

アステムは、自社製DTF「ARTJET」を展示のほか、ローランド「TY-300」と自社シェイカーを組み合わせたシステムを出品している。

ガーメントプリンタで知られる上野山機工のDTF「MANPROTEK」は、5ヘッドで18㎡/hと同クラスでは比較的高速。担当者は「後発なので、スピードという付加価値をみせたい」と話す。

シンプルアクツもDTF「OtterPro」を展示していた。

Copyright © 2025 プリント&プロモーション . ALL Rights Reserved.